会社が利益を出しているにも関わらず、ボーナスが支給されない状況は、従業員としては「あり得ない」と感じてしまいますよね。
本記事では、儲かっているのにボーナスなしの理由とやるべきことを解説します。
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儲かっているのにボーナスなしはあり得ない? 普通?
企業のボーナスに関する考え方や制度は多岐にわたるため、「儲かっている=必ずボーナスが出る」というわけではありません。
ボーナス(賞与)は、法律で定められた必須の賃金ではない為、労働契約や就業規則に「支給する」という定めがない限り、会社に支給義務はありません。
これは会社の方針や制度によっては普通のことでもあります。
儲かっている会社でボーナスがない理由
- 会社の業績が良くてもボーナスを支給しない方針を取ってい
- 成長途上の企業で企業体力がない
- 利益率を重視している
- 年俸制を採用している
- 株主・オーナーへの還元をしている
- 内部留保の強化
会社の業績が良くてもボーナスを支給しない方針を取っている
企業の経営方針として、そもそもボーナスを出さないと決めているケースです。
ボーナスは業績変動に左右されやすい性質がありますが、その分を毎月の給与や他の手当に上乗せし、安定した給与体系を重視している場合があります。
例えば、月の給与が同業他社よりも高めに設定されており、年収全体で見ると差がない、あるいは上回るような仕組みです。
このような方針の会社では、賞与の有無よりも年収総額に注目することが重要です。
成長途上の企業で企業体力がない
売上は伸びていても、まだ企業としての体力が盤石ではない、特にベンチャー企業に多いケースです。
利益を設備投資や研究開発、人材採用などの成長のための再投資に回し、会社の基盤強化を優先しているためです。
設立間もない企業や、急成長中の企業は、将来の大きな利益を目指すために、現在の利益を内部に留保する必要があるのです。
会社と共に成長したい、という意欲のある人にとっては、将来性を見据えることが大切になります。
利益率を重視している
売上高は大きくても、利益率が低いビジネスモデルの場合、ボーナス支給が難しいことがあります。
原価や経費が高く、最終的に社員に還元できる純粋な利益が少ないため、賞与の財源を確保できない可能性があります。
大量の仕入れや人件費が必要な業種では、売上が大きくても手元に残る金額が少ない、という構造的な問題が関係しています。
単に売上を見るだけでなく、会社のコスト構造まで考える必要があります。
年俸制を採用している
給与体系として年俸制を採用している場合、ボーナスという概念がないことが一般的です。
年間を通して支払う総額があらかじめ決まっており、それを12ヶ月などで分割して支給しているため、月々の給与にボーナス分が既に含まれていると見なされます。
「年俸480万円を12分割して月々支給」といった契約の場合、原則として別途賞与は支給されません。年俸制は月々の収入が安定しますが、業績連動での大きなボーナスは見込めません。
株主・オーナーへの還元をしている
企業が上げた利益が、社員への還元ではなく株主やオーナーへの配当・利益還元に使われているケースです。
上場企業であれば、株主への責務として配当を優先したり、オーナー企業であれば、経営者の判断で利益が内部にとどまったりすることがあります。
利益剰余金から多額の配当金が支払われているにもかかわらず、社員の賞与は抑えられているという状況です。
従業員への還元より資本家への還元を重視する経営姿勢と言えます。
内部留保の強化
将来の不況や大きな投資に備えるため、利益を内部留保として蓄積している場合です。
企業を永続的に存続させるために、緊急時に備えた財務体質の強化を最優先しているためです。
特に景気の変動が激しい業界や、大規模な設備投資を控えている企業などでは、手元の現金を厚くしておく方針が取られます。
儲かっているのにボーナスない時にやるべきこと
儲かっているのにボーナスない時にやるべきことは、下記の通りです。
- 労働時の契約を確認する
- 就業規則でボーナスの支払い規定を確認する
- 労働組合に相談する
- 転職を検討する
労働時の契約を確認する
最初にすべきことは、入社時に交わした雇用契約書や労働条件通知書の内容を確認することです。
ボーナスの有無や、支給される場合の「算定基準」や「支給時期」が明記されているかを確認してください。
もし「賞与あり」と記載されていて、その条件が満たされているにもかかわらず支給されない場合は、契約違反の可能性があります。
明確な根拠をもって会社と交渉するための第一歩です。
就業規則でボーナスの支払い規定を確認する
雇用契約書に詳細な規定がない場合でも、会社には必ず就業規則があります。
就業規則には、賃金の決定・計算及び支払の方法、昇給に関する事項など、ボーナス(賞与)に関する具体的な規定が記載されているはずです。
特に「会社の業績に応じて支給する」といったあいまいな表現になっていないか、ボーナスが義務化されているか否かを確認することが重要です。
労働組合に相談する
会社の制度や契約を確認した上で不当だと感じた場合、または会社との交渉が難しい場合は、労働組合に相談するのも一つの有効な手段です。
労働組合は、労働者の権利を守るために会社側と交渉を行う専門機関です。
個人で交渉するよりも、組織として交渉する方が、より会社側に強い圧力をかけることができる場合があります。
社内に組合がない場合は、社外の合同労働組合に相談することも可能です。
転職を検討する
上記の対応で改善が見られない場合や、会社の経営方針自体に納得がいかない場合は、転職を検討することも現実的な選択肢です。
ボーナスを「頑張りの対価」として重視する方にとって、ボーナスを還元しない企業で働き続けることは、モチベーションの維持が難しくなります。
自分の価値観に合った給与体系や還元方針を持つ企業への転職は、より良い働き方を見つけるための最良の方法かもしれません。
まとめ
会社が儲かっているのにボーナスがないのには、様々な経営上の理由があります。一概に「あり得ない」わけではなく、経営方針や年俸制など、多様な要因が絡み合っています。
ボーナスがないと疑問に感じた際は、雇用契約書や就業規則を冷静に確認し、会社の支給義務の有無を把握することが最初の一歩です。その上で、会社の経営戦略を理解するか、それが受け入れられない場合は転職を含めた次の行動を検討しましょう。
| アクション | 確認事項 | 目的 |
| 契約確認 | 雇用契約書、労働条件通知書 | 契約上の支給義務の有無を把握する |
| 規則確認 | 就業規則(賃金規定) | ボーナスの具体的な算定基準を確認する |
| 専門家相談 | 労働組合、社労士など | 会社との交渉を有利に進める |
| 環境を変える | 転職活動 | 自身の価値観に合った企業を探す |


